『射精するのに時間がかかる』『マスターベーションだと射精できるのに、性行為になるとうまく射精できない』 こういった悩みを持たれている方は多くいらっしゃるのではないかと思います。
遅漏にはいくつかの原因があるといわれますが、そのうちの1つとして包茎が大きく関係しています。
そこで今回は、包茎と遅漏の関係性や遅漏を治す方法についてお話していきます。
遅漏は男性だけの悩みではなく、パートナーにも関わる問題です。
改善し性生活をより快適なものにしていきましょう。
そもそも遅漏とは?
遅漏とはなかなか射精できない状態のことで、本人の意思に反して射精が過度に遅れることをいいます。
個人差はありますが、一般的には性行為の際に挿入してから15分以上、射精までに時間を要する状態を、『遅漏』と定義されています。
遅漏になると、本人は勿論、パートナーも苦痛を伴うことがあります。
長時間におよぶ性行為では、女性側の膣分泌物が乾燥し膣が傷つくことで、痛みを伴います。
包茎と遅漏の関係性
包茎には、真性包茎、カントン包茎、仮性包茎の3つタイプがあります。
それぞれのタイプと遅漏の関係性について解説していきます。
遅漏との関連が出てくるのは、基本的に真性包茎やカントン包茎の場合です。
真性包茎やカントン包茎は、基本的に亀頭が露出していない状態です。
性行為などの際にも亀頭が皮に守られていて、射精にいたるまでの刺激を十分に受けることができない場合があります。
また、カントン包茎の状態の方では、性行為の時に皮がむけそうな状態になることで痛みがでてしまい、性行為自体に不安や痛みがあることも多く、射精どころか、勃起が維持できなくなることも起こりえます。
仮性包茎は、普段は包皮で亀頭が覆われていますが勃起すると亀頭が露出する状態です。
そのため、一般的に仮性包茎は遅漏の原因にはならないと考えられています。
包茎以外に考えられる遅漏の原因と改善方法
上記で解説した真性包茎やカントン包茎以外にも、いくつか『遅漏』となる原因があります。
①過度な間違ったマスターベーション
比較的多いのが、この間違ったマスターベーションによる『遅漏』です。
特にこのタイプでは、マスターベーションでは射精に至るものの、性行為では射精できないという、膣内射精障害となることが多くあります。
例えば、床オナと呼ばれる、床でペニスを擦ってマスターベーションを行っている場合です。
このマスターベーションでは、かなりの圧力をペニスにかけた状態で射精することに慣れてしまいます。
その為、そこまで圧力のかからない膣内では射精が行えないということが起こってしまうのです。
このような場合の解消法としては、だんだんと圧力の弱いマスターベーションでも射精することに慣れていくトレーニングが有効的です。
TENGA®のヘルスケアメンズトレーニングカップなどの商品が代表的なものとして市販されています。
②飲酒、体調不良
お酒を飲んだ後の性行為で、なかなか射精することが出来なかったという経験を皆さんもお持ちではないでしょうか?
そのほかにも体調がすぐれないときにも遅漏になることがあります。
③精神的要因
子どもの頃に行き過ぎた性教育を受け、性行為自体が不浄なものという考えが深層心理にある場合や、過去に性行為で嫌な経験をしている場合などは、緊張や不安で上手に射精することができません。
精神的に負荷がかかってしまい、うつ状態になり射精障害や遅漏を発症することもあります。
このような方には、心療内科や精神科でのカウンセリングや治療が必要となってきます。
④お薬の影響
飲んでいるお薬の内容によっては、そのお薬の影響で遅漏になるということがあります。
代表的なものは、抗うつ薬や抗精神病薬とよばれるお薬です。
これらの内服薬を服用中で遅漏にお困りの場合は、治療中の病状も踏まえて減薬や薬剤の変更ができないか、主治医の先生とご相談していただくことも選択肢の一つです。
包茎治療で感度が落ちるのか
カントン包茎や真性包茎の状態で遅漏となっている場合には、包茎手術を行うことによって、亀頭が刺激を受けやすい状態となり、遅漏の改善につながることも多くあります。
その一方で、包茎治療を行うと一定の割合で遅漏になったと感じられる方もいらっしゃいます。
包茎手術で性感帯を切除してしまう場合がある
一般的にペニスの中で感度が高いといわれている箇所は、亀頭の部分とカリ周りの下の粘膜質な皮の部分だと言われています。
包茎手術を亀頭直下法で行う際に、カリ周りの粘膜質な部分の包皮を切除すると、感度が落ちたように感じる方もいらっしゃいます。
また、俗にいう裏筋(包皮小帯)に性感帯があると思われている方もおられますが、裏筋自体には性感帯はありません。
裏筋下の尿道の脇に射精に関する神経があり、そこが性感帯だと考えられています。
実際には裏筋を切除して射精が不可能になることはありません。
しかし、中には裏筋を切除したことで遅漏になったと思い込んでしまい、精神的なイメージの影響で本当にその後も遅漏になってしまう方もごく一部おられることも事実です。
そのような傾向がある方が包茎手術を受けられる時には是非、裏筋を温存したいと執刀医にご相談ください。
術後しばらくは感度が落ちることがある
手術後の違和感から、スライドできる皮の量が少なくなるためにマスターベーションがしにくくなり、うまく射精が出来ない方もいらっしゃいます。
多くの場合では、時間が経つごとに、手術した状態のペニスに慣れていき、遅漏が残るということはありません。
大体2-3ヶ月ほどで、慣れていき問題なくなっていくことが多いです。
遅漏・包茎手術後の感度が気になる方はABCにご相談ください
現在遅漏でお悩みという方は、まずご自身の遅漏の症状はどんなことが要因になっているのか見極める必要があります。
ABCクリニックでは遅漏改善という治療項目でご用意してはおりませんが、要因を見極めて必要な治療をさせていただきます。
遅漏で性生活に悩みがある方や、感度が心配で包茎手術に不安がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
- 当記事の執筆者
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- 村上 知彦
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日本泌尿器科学会認定 専門医
日本泌尿器科学会認定 指導医
平成19年3月 長崎大学医学部医学科 卒業
令和2年2月 ABCクリニック美容外科 博多村上院 開設
平成19年3月 長崎大学医学部医学科 卒業
令和2年2月 ABCクリニック美容外科 博多村上院 開設